彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「凛?おーい、凛!凛ってば!」
「はっ!?な、なななななな、なんでしょう!!?」
「いや、やけにしみじみと飲むな?」
「そ、そうでしょうかっ!?気のせいですよ!あ!?お返ししますね!?あはははは!」
「おう、サンキュー。」
不思議そうに首を傾げたけど、それ以上追及はされなかった。
ぎくしゃくしながら缶ビールを返せ(?)ば、自然な動きでそれを受け取る瑞希お兄ちゃん。
そして、ためらうことなく、私が口づけた場所に口づけ、中身をゴクゴクと飲んでいく。
(はわぁああああ!!間接キッスで酔いそう!!)
いいえ!!私が酔いしれているのは、真田瑞希様!!あなただけですよ♪
〔★凛は瑞希酔いをしている★〕
「凛?おい、凛!大丈夫か、凛!?顔が真っ赤だぞ!?」
「だっ!?だ、だだだだだ、大丈夫であります!!」
「え・・・ちょ、お前の飲んだ缶、見せてみ。ノンアルコールだよな??」
「あ。」
そう言いながら缶を私から取り上げると、表示部分をまじまじと見つめる好きな人。
(ヤバいヤバい!!!興奮のあまり、顔に出てしまった!!!色よ、元に戻れ!!元の顔色に戻れ!!)
「おかしいな~ノンアルコールだな・・・・?」
「あ、あははは!部屋が暑いので、赤くなったのかもしれません!!」
「え!?俺、ちょうどいいんだけど!?つーか、熱でもあるんじゃないのか、凛!?」
「ひぇ!?」
そう言いながら、私を抱き寄せて額と額を合わせる瑞希お兄ちゃん。
(ますます熱くなるよ――――――――――――!!)
「おい、熱いぞ!?解熱剤飲んどくか!?つーか、飲むぞ!来い!」
「え!?えっ!?いいですよぉ~!」
「風邪は万病のもと!油断するな!」
そう言って、ベットから立ち上がると、机の引き出しを開け、中から錠剤を取り出す瑞希お兄ちゃん。
「ほら!なんか食ってから飲むぞ!」
「え!?いいですよ!本当に大丈夫です!!」
健康なのに、解熱剤飲むのは身体に悪くない!?
そう思ったらゾッとして、体温が下がる私。
熱が引くのを自覚出来たので言った。