彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)



瑞希お兄ちゃんと一緒に1階へ降りる。
みんながいるであろう店舗の方へ行けば、全員がかたまって何か話し込んでいた。
会話が耳に入る前に、こちらに気づいた烈司さんが声をかけてきた。





「よぉ、瑞希!凛たんを独り占めにした男子会は終わったのか~?」
「・・・まあな。」
「もうーみーちゃんばっかり、凛ちゃんを独り占めしてズルいわー!モニカちゃんも可愛がりたいのに!」
「凛道蓮独占禁止法を出さねばならんな。」
「わはははは!男2人が部屋でコソコソするとは、どうせエロい話してたんだろうー!?」
「モニカと伊織はともかく、皇助はバカ言ってんじゃねぇーよ!」


(・・・いつも通りの先輩達に戻ってる。)





さっきは瑞希お兄ちゃんをそっとしてくれたが、今は通常運転で普通に話している。
それになんだか強い友情を、絆を感じて、胸が熱くなる私。





「凛さん!」
「リンリン!」
「うははは!りーんー♪」





そんな私の元に、友達3人が駆け寄ってくる。





「真田先輩と話は済んだんすか!?」
「リンリンなんか、元気ナッシング系ー!?大丈夫~!?」
「うははは!元気ないなら、三遊亭円楽の落語見るかぁー!?」
「ありがとうございます、みなさん。話は無事に終わりましたし、僕は大丈夫ですよ。」





気遣ってくれる友達に平気だと伝えるが、疑いのまなざしを関西男子以外から向けられる。
もっとも、ヤマトはサングラスをしてるから表情がわかりにくいんだけどね。





「リンリンすぐやせ我慢するから、信用できない系―! シゲせんせーリンリン診てー!」
「お願いします、シゲ先生!!」
「うははは!シゲ先生が凛を見てる間、鳥恒先生はわしと一緒にエール送ってー!頑張るな、頑張るな、りーん!!」
「いいですよ。蓮君、診察するからそこに座って下さい。」
「って!?五十嵐君と言ったか!?そこは頑張れじゃないのかい!!?」





こちらの様子を見ていたご老体2人に、友達3人が私のことを頼む。



てか、ヤマトいうのエールって・・・必要?



そう思いつつも、私は笑顔で辞退を申し出た。





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