彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)





「本当に大丈夫です。僕、どこも悪いところは―――――――」
「診てもらえ、凛!」
「瑞希お兄ちゃん!?」
「シゲ先生!凛の奴、熱のある風邪かもしんねぇんです!診て下さい!」
「おや、それはいけませんね。蓮君、ちょっと失礼。」
「あ。」





そう言うなり、私を強制的に座らせるシゲ先生。





「うははは!頑張るな、頑張るな、りーん♪ただでさえ、120%フル稼働しとるさかい、これ以上は頑張るな、りーん♪ほれほれ、鳥恒はんもご一緒に!」
「なるほど、そういうことか!凛道蓮君、頑張らなくていいぞ!休みなさい、休みなさい、休みなさーい!」





ヤマトの説明に納得すると、手拍子するヤマトにあわせて一緒に手を叩き始める鳥恒先生。





「ウェイウェイウェイ♪ちーちゃんも参加する系♪頑張るな、頑張るな、リンリーン♪」
「わはははは!!俺様も応援してやるぜー!!遊べ、遊べ、凛助―!!」
「ちょ!?幡随院!百鬼先輩も!それじゃあ、シゲ先生が落ち着いて、凛さんを診察が出来ないっすよ!?」
「そうだね。出来ないこともないけど、声のボリューム下げようか?」





私の顔に手を当て、額を触りながら言うシゲ先生。





「うははは♪頑張るな、頑張るな、りーん♪」
「ウェイウェイウェイ♪頑張るな、頑張るな、リンリーン♪」
「わはははは!遊べ、遊べ、凛助―!」





それで小声の応援に切り替えるヤマト達。





〔★医者の指示に従った★〕





私の顔を触ったり、見た後で、シゲ先生は瑞希お兄ちゃんを見ながら言った。





「ちょっと疲れが出ているみたいだね。休むのが薬かな。」
「わかりました!凛、早く帰れ!!」
「え!?そんな!瑞希お兄ちゃん!?」

もう帰れって言うのー!?まだ瑞希お兄ちゃんといたいのにー!

「光憲君とも、そろそろ帰ろうと話していたところだったから、今日のところは早めに帰ろう、蓮君。いいね?」
「凛!シゲ先生の診断を異論はないな!?」
「うっ!?な、ないです・・・・・」
「うははは!ほな、わしら帰りますわ!ちーちゃんとハゲ君も帰るやろうー!?」
「ウェイウェイウェイ♪リンリンが帰るなら、ここにいても意味ない系!マイホームに帰る系!」
「つーか、俺は五分刈りだ!凛さんが帰るなら、俺も帰る!というか、お見送りします!」
「凛、気を付けて帰れよ!?」
「はい・・・。」

(あーあ、マジで帰る流れになっちゃったよ・・・)





瑞希お兄ちゃんのお言葉を受け、渋々ガレージの方へ進む私。







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