彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)



店内で食べる選択をして、商品を注文する。
出来上がった商品を受け取り、窓際のカウンター席に腰を下ろした。
店内を見渡せる席でもよかったが、あまりキョロキョロして、尾行してる奴に、尾行の存在を私達が気づいてると気づかれても困る。
それに正面のガラス窓を利用すれば、背中を向けていても、十分に店内の人々を見ることが出来る。
ガラス窓に映る人々を見ながら、私は関西男子に聞いた。





「ヤマト・・・・・尾行していた奴は店内にいますか?」
「うははは!それがなぁーわしらがマクドに入ったら、通過して行ったねん!車が!あ!車でわしらをつけとったんやけどな!」





そう言いながら、頼んだマックシェイクを飲みながら外を見るヤマト。
私も、注文した野菜生活を飲みながら外に視線を送る。





「止まってますか、その車?」
「うははは!見当たらんのぉー!けど、あきらめて帰ったってわけでもない気がする~!」
「マクドナルドから、僕たちが出るのを待ってるのでしょうか?」
「うーん!とりあえず、様子見で1時間はここにおろうで!」
「えー!?ここに1時間!?」

(それだけ、私の睡眠時間が減るってこと!?)

「うははは!1時間なんてあっという間やで!おしゃべりしとったら、すぐやないかーい!で!?瑞希はんとは今夜、どないやったねん!?何話したん!?なにか飲んだんか!?お菓子とか食べたりしたかー!?頭なでてもらえたんかぁー!?」
「グイグイくるな!?てか、ヤマト達こそ、ちーちゃん達と何話してたの?」





私が不在だった時のことを聞けば、関西男子は陽気な声で教えてくれた。





「うははは!主に、凛と瑞希はんが檜扇家と高野家の毒牙にかからないためにはどうすればええかの話し合いや!ちゅーことで、総長命令で龍星軍に集合かけてーや!」
「はあ!?もう終わった話なのに、蒸し返す真似したくないですよ!」
「うははは!それが鳥恒はんがゆーには、まだ湖亀ばあさんは諦めてへんゆーねん!自衛せんといかんゆーねん!湖亀ばあさんが地獄に行く日まで、凛のボディーガードしたいゆーてんねんぞ、鳥恒はんは!」
「そんな話をしたのですか!?てか、鳥恒先生が僕のボディーガードを!?」





予想外の申し出を聞き返せば、爆笑しながらヤマトは言った。







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