彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)





思わず、食い入るように見ていれば、写真をテーブルに置きながら女性は言った。







「これ、凛道蓮君にプレゼントするわ。」
「え!?いいんですか!?」
「あかん!!」







写真に伸ばしかけた私の手を、ヤマトが素早く抑え込む。







「知らん人から、お菓子とジュースと真田瑞希はんグッズをもらっちゃあかんって、瑞希はんから言われとるやろう!?」
「は!?そ、そうでした!」
「え?そんなこと言われてるの?」
「そうや!せやから、余計なことせんといてや!」
「じゃあ―――――――凛道蓮君は、水着姿の小学生瑞希君の写真も欲しくないってこと?」
「え!?小学生で水着姿の瑞希お兄ちゃんの写真!?」
「見たくない?凛道蓮君?」
「み・・・見た・・・!」
「あかん!あかんで!!凛!!」
「でも、ヤマト!見るだけなら~・・・!!」
「あかんゆーたら、あかん!!初対面なのに凛の名前を知っとる時点で、完全な不審者やろう!?」
「は!?それもそうですね!?」

この人、一目見て、私を凛道蓮だと言った!!

不審者だ!!







〔★気づくのが遅い★〕





警戒する私達に、写真をテーブルに置いた女性は、口に手を当てながら笑う。







「ふふふ・・・報告通り、お兄ちゃん子なのね・・・凛道蓮君は?」
「報告通り?」
「帰るで、凛!!名前も名乗らん不審者に関わるな!名乗れんのかもしれへんけどな!!」
「檜扇未子。」
「え!?」
「なんやて!?」
「私の名前は、檜扇未子。檜扇二三人の正妻です。」
「ええ!!?」

(あのクソ野郎の奥さん!?)


「あ~~~~!!やっぱり、そっち系かいな!!」







身分を明かした女性に、ビックリする私と、うんざりするヤマト。









< 398 / 854 >

この作品をシェア

pagetop