彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「何言ってんですか!?敵の――――不審者の紹介する女子達と連絡先交換なんて危険ですよ!?」
「恋に危険はつきものや!!話を聞くだけで、こんな可愛い子達とわしは知りあえるんやぞ!?わしかて、五十嵐ガールほしいねん!!美人と可愛い子に囲まれたいねん!!」
「馬鹿なのお前!?」
「恋の出会いが少ないわしに、機会をプリーズ!!」
「勝手にしろ馬鹿野郎!!」
「ああ、凛道蓮君には、小学生時代の真田瑞希君の写真を7枚あげるわ。だから、私とお話してくれる?」
「な、7枚!?」
貴重な瑞希お兄ちゃんの写真が7枚も手に入るというのか!!?
「体操服姿の写真を含めて、7枚よ♪残り6枚はここにあるんだけど~・・・・・見たい?」
「うっ!?」
そう言いながら、トランプのババ抜きをする時の持ち方で、写真の裏側だけ見せてくる檜扇未子。
(ダメよ、凛!!誘惑に負けちゃダメ!!明日になれば、写真じゃないリアル瑞希お兄ちゃんに会えるじゃない!?)
写真なんて!!瑞希お兄ちゃんの写真なんて!!
(瑞希お兄ちゃんの昔の写真なんて持ってないけど!!)
そうだよ!!持ってないんだよ!!過去の瑞希お兄ちゃんの写真!!
(現在の写真は、プリクラ含めて持ってるけど、過去はコレクションにないんだよ!!)
だけど相手は檜扇家の人間!!
(ここで同意すれば、相手のペースに乗せられてしまう!!それだけは避けなきゃ!!避けなきゃいけないけど――――――――――!!)
「お話しする時間・・・・・あるわよね、凛道蓮君、ごじゅうあらしやまと君?」
「「ありますね。」」
気づいた時には、ヤマトと声をそろえて相手の要求を呑んでいた。
〔★おバカ2人は、欲望に負けた★〕
「ありがとう、2人共♪じゃあ、場所を変えて話をしましょうか?」
「わかり―――――――」
「場所を変えるのはあかん!!」
「ヤマト!?」
同意しようとした私の言葉を、ヤマトはさえぎると言った。