彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)







「わしら、マクドで茶ぁしてんねん!それ以外の場所に行くつもりはないで!」
「気に入った女の子と、デートさせてあげるわよ、ごじゅうあらし君。」
「自力で申し込むからええわ!!とにかく、話はここでしか聞かへん!わけのわからんところに連れていかれて、殺されでもしたらかなわへんからな!?」
「殺す!?」

(私達を!?)







思わず檜扇未子を見る。
ゆっくりと距離を取れば、苦笑いしながら相手は言った。







「そんなに怖がらないで、凛道蓮君。わかったわ・・・場所は、移動しないでここで話しましょう。でも、女の子を呼ぶから、広い席に移動しましょうね?」
「それならええで!なぁ、凛!?」
「え、ええ・・・。」







こうして、大勢が座れる席へと移動する私達。
私達が承諾するやいなや、檜扇未子はスマホ画面をタッチして電話を始めた。
どうやら、本当に女の子達をここに呼ぶようである。
ヤマトを見れば、手鏡を取り出し、身だしなみを一生懸命整えていた。







(・・・・・大丈夫かな、私・・・・・・)







写真につられたとはいえ、同意してしまったことに後悔する。
だけど――――――――







「凛道蓮君。」
「・・・・・なんですか?」
「はい、どうぞ♪」
「!?瑞希お兄ちゃんの写真!!?」







7枚の写真を手渡されたことで、その後悔も全部吹き飛んだ。







「わぁあ~♪水着姿の写真が4枚、体操服姿の写真が3枚だぁー♪」
「話し合いの結果次第では、もっとたくさんの写真をあげるからね♪」
「え!?まだあるのですか!?」

(これは・・・・・命がけの駆け引きになりそうね・・・・・!!)







もらった写真を胸に抱き、待ち受けているであろう修羅場に身を投じる私とヤマト。
その上で私は自分に言い聞かせる。







(瑞希お兄ちゃんにはかかわるなと言われたのは、あくまで檜扇家の人間!!目の前にいる女性は、ただの未子さんだから問題はない!!)

だから約束を破ったことにはならない!

(そもそも、檜扇家がまだ絡んでくる可能性が高い以上、情報は多い方がいい!檜扇家にお嫁に来た人側からの話も聞いておく必要がある!決して、写真につられて話を聞くわけでもない!!)

そんな覚悟で、ただの未子さんと向かい合わせになる形で席に着いたのだった。







〔★凛は敵のペースに引き込まれた★〕










< 401 / 854 >

この作品をシェア

pagetop