彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)





ただの未子さんの電話から数分後、私達の座る席は賑やかになっていた。





「え~ヤマト君おもしろーい♪」
「やっぱり関西男子って最高―♪」
「話しやすいのが一番だよね~♪」
「うははは!そうでっか、そうでっか!?いや~こないな美人と可愛い子達に囲まれて、わし、今日が命日になるかもしれへんわぁー♪幸せ過ぎて!!」
「きゃははは!ヤマト君お世辞もうま~い!」
「てか、命日にしちゃやだよぉ~」
「ポテト食べさせてあげるから、生きる力復活させて♪はい、あーん♪」
「うははは!あーん♪」
「・・・。」

(ヤマトの奴、浮かれやがって・・・)





ドブスにポテトあーん、してもらい、上機嫌な関西男子にあきれる私。





(まあ私も、写真をもらった手前、ヤマトのことは言えないんだけどね~・・・)





真横にできたヤマトハーレムを横目に、野菜生活を飲む私。
正面では、コーヒーに口づけるサングラスの女がいた。
サングラスの女・・・檜扇未子はコーヒーをテーブルに置くと、長い髪を耳にかけながら言った。







「改めて自己紹介させてね。私は檜扇二三人の正妻の檜扇未子。柊護の母です。」
「・・・息子さんには、いろいろお世話になりました。奥様にはお初にお目にかかります。凛道蓮です。」
「未子と呼んで下さって結構よ。本題に入りましょう。」
「ええ、出来れば手短にお願いします。」
「では、単刀直入に申し上げます。凛道君、お義母様のためにドナー検査を受けて下さい。」
「お義母様って、檜扇湖亀さんのことですか?」
「そうです!私にとって、理想の母で偉大なる女性!尊敬すべきお方のことです!!」
「え?」

理想?偉大?尊敬?

(この人、本人のいない前でも、お世辞を言うタイプ?)







ポカーンとする私をよそに、うっとりとした声でただの未子さんは語る。










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