彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)





「母には、二三人伯父さんにべた惚れしてる未子伯母さんだから、二三人伯父さんが大伯母様の早死にを望んでることに賛同してるはずだから、しばらく未子さんとは距離を置いてほしいと、何度も頼んだんだ!それなのに―――――――――・・・・・・」
「今夜みたいに、未子様様にくっついて、俺や愛息子の意見に真っ向から対立してきやがるんだ!!家族で、高野家一丸となって、姉さんを守ろうという姿勢を取らないんだ!!」
「要は、未子さんへの信頼度の方が強いのですか?」
「残念だけど、そう言わざるを得ない・・・。僕も、檜扇未子さんにはお世話になってきたから、未子さんを否定する気はないけど、未子さんは早く世代交代したい二三人伯父さんのウソを一途に信じすぎてる。」
「助けたいと口で言いながらも、早く死んでほしいと二三人の奴は思ってやがる!!それを見抜けてねぇ未子ちゃんが二三人の言葉をうのみに信じ、そんな未子ちゃんを代佳ちゃんが信じきってるから、高野家の中で意見が2つに割れちまってるんだ!!」
「説得すれば母もわかってくれると思ったけど、今夜のことで、その希望も経たれたよ・・・。母は完全に未子さんの味方になってしまった・・・。蓮クン、これ以上、味方を減らしたくないんだよ。」
「申し訳ないですが、僕は協力出来ませんよ。」
「今はそうかもしれないけど、よく考えてほしい。1人の人間の命がかかってることだからこそ、考え直してくれないかな?」
「・・・本当に帰りますので、この辺で・・・」
「蓮クン、どうか忘れないでくれ。僕には、僕達には、凛道蓮クンが必要だ。」
「もう一度言います。他をあたって下さい。」
「・・・また連絡するから。僕らも帰ろう、おじいちゃん。」
「フン!!わからずやのクソガキめ!!」
「やめておじいちゃん!!ごめん、蓮クン!じゃあ・・・!」





挑発的な態度をとる祖父をなだめると、私に別れを告げて去っていく舟槙(しゅうま)さん。
それをヤマトと2人で静かに見送った。





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