彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)





翌日の放課後、凛道蓮に変身した私は、東山高校の制服を着て桃山女学院へ向かった。





「うははは!可愛い子、見つかるとええなぁー♪」
「ナンパしに行くわけじゃないんですよ、ヤマト?」





私が桃山女学院へ行くと聞き、同行すると言い張ったヤマト。
私のことが心配だからとは言っていたが―――――――





「うははは!初カノ、年上のお姉さんちゅーのもええなぁ~♪」
「・・・。」





ヤマトの浮かれっぶりからして、自分の彼女探しを目的にしているように思えてならない。





〔★ヤマトは出会いを求めている★〕





指定された場所、桃山女学院の裏門へと向かえば、見慣れた人物が目に入った。







「りっく――――――――――――ん!!」
「凛道様!」
「ますみちゃん!それに、桐壺聖歌先輩!?」







ますみちゃんが待ってるのは予想できたが、桐壺先輩までお出迎えしてくるのは予想外だった。
同時に、それだけ問題が深刻なのかと思い知らされた。
2人の前でヤマトが単車を止めれば、ますみちゃんが私に飛びついてきた。





「待ってたよ、りっくん!会いたかった―!」
「うわ!?いきなり抱き着かないで下さい。」
「今日は来てくれてありがとう!ますみ本当に嬉しいよ!!」
「そりゃあ、『助けてあげて』と言われますと・・・ね。」
「りっくん、大好きー♪」





満面の笑みで、私の胸に顔を埋めてくる美少女。
さらしで巻いてる胸がバレないか、冷や冷やする私。





「一ノ瀬さん、凛道様に会えて嬉しい気持ちはわかりますが、ここで話ができないのはわかっていますね?」
「あ、ごめんなさい、聖歌お姉様!すぐに移動しますわ!りっくん、案内するから来て!」
「ごじゅうあらし君、バイクはあちらにおいてください。」
「うはははーい!」
「案内よろしく、ますみちゃん。」





ヤマトの単車を来客用の駐車場に置くと、桐壺先輩を先頭に校内へ入る私達。





「いいんですか?他校の男子生徒を入れて?」
「理事長先生から許可を得ていますので、大丈夫です。」
「理事長?」

(おいおい・・・これは確実に深刻なトラブルなんじゃないの?)

「うははは!理事長が許可するとは~凛に助けを求める内容は、どえらいことちゅーことになりまっか!?」
「・・・そうなります。」

(マジか!!)





断言する桐壺先輩の返事に、頭を抱えたくなる。





〔★大問題と確定した★〕







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