彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「こちらの5名に共通するのは、高野舟槙(こうや しゅうま)被告からセクハラと性的な暴行といじめを受けたことです。」
「え!?セクハラに性的暴行にいじめ!?」
(いじめだと!!?)
「犯罪やん。」
「ごじゅうあらし君の仰る通り、高野舟槙(こうや しゅうま)は犯罪加害者です。」
「あの舟槙(しゅうま)さんが、セクハラと性的暴行といじめをされたというのですか!?」
「「「「されました。」」」」
声をそろえて答えたのは、初対面の男女4人。
「まずは、私の被害からお伝えします。」
そう言ったのは、パンツスーツの女性。
「私は高野舟槙(こうや しゅうま)とは同級生で、同じ高校の出身者です。」
「え?桃山女学院の卒業生ではなかったのですか?」
「違います。ますみちゃんとおけいこ事が同じで―――――それで今回、凛道蓮さんに告発できる機会を得られました。」
「え!?僕に告発って――――――!?」
驚く私を見つめながら、パンツスーツの女性は話し始めた。
「高野舟槙(こうや しゅうま)とは、クラスが同じだったのですが・・・正直、関わりたくない相手でした。」
「なぜ、関わりたくないと?」
「裏口入学をしたからです。」
「裏口入学!?」
(あの不正な行為をして、入学するってやつ!?)
「舟槙(しゅうま)さん、裏口入学で高校に入ったのですか!?」
「違います。幼稚園も、小学校も、中学校も、お金を使って裏口で入ったことで有名な奴でした。」
「全部、不正を働いてんの!!?」
〔★筋金入りのズル人生だ★〕
「しかも、中学に関しては、女子高だったのを、わざわざ共学に変えさせて、入学を果たしましたからね。」
「ちょ!?どんだけ権力持ってるの!?普通じゃない!!」
「ええ、普通じゃなかったです。昔から―――――――異性に対して異常に興味を持つ、女好きの早熟なオスでしたよ。」
「異常に、ですか?」
(つーか、男子じゃなくて、オスって言いきったよ。)
複雑な気持ちになる私に、相手の女性は険しい表情で言う。