彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)







「いやらし目で、いつも女子生徒を見ると有名で、娘を持つ名門の家々では、常に注視し、警戒をしていました。」
「あの舟槙(しゅうま)さんが・・・・・!?」

(問題があるとはいえ、ご老人をいたわる誠実そうな男性に見えた舟槙(しゅうま)さんが、女好きの早熟なオスだっていうの!?)


「同性から見ても、いやらしい目をしていると言っていました。」
「そ、そうなんですか?」
「そうです!私は奴と同じクラスになった時、絶対に関わらないと決めていました!目も合わせないようにしていたのですが―――――――!」







そこまで言うと、下唇をかみしめる竹田里奈さん。
その異変に、なにかあったのだと察する私。







「・・・あなたの身に、なにかあったのですか?」
「・・・はい。」
「無理に聞き出そうとは思っていません。ですが、話すことであなたが楽になるなら、僕に教えて下さい。」
「・・・ありがとうございます。お話します。」







そう言うと、彼女は口を開いた。







「強制されたのです。」
「なにをですか?」
「・・・あの日、スマホに友人から電話がかかってきて・・・いつも通りに出たのですが、友人ではなかったのです。」
「どういうことですか?」
「友人のスマホを奪った高野舟槙(こうや しゅうま)の母親からでした。」
「はあ!?スマホを奪った!?」
「嫌がる友人からスマホを取り上げ、登録されている私の番号に電話してきたのです!」
「犯罪になりますよ!?」
「ええ!ですから、どういうつもりか聞いて――――――聞いてしまったのです!そうしたら先方はいきなり、『息子の恋人になって!』と、私に言ってきたのです!」
「え!?母親がですか!?」
「母親がです!!」







あの甲高いうるさくて派手な女を思い浮かべながら聞けば、相手は首を縦に振りながらYESの返事をする。







「息子が、高野舟槙(こうや しゅうま)が入学式で、私に一目ぼれしたから、交際をするように強要してきたのです!!」
「お母さんの手を借りないと、女子に告白もできないのですか!?」







〔★迷惑なマザコンだ★〕









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