彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)





「思い出しただけでも、気持ち悪い!」
「そうでしょうね。心中お察しいたします。」
「ありがとうございます・・・・・!」
「そのご様子だと、お断りされたのですよね?」
「即答で断り、スマホの番号をその日のうちに変えました!!」

(そりゃあ、そうなるだろうなぁ~)

「それがセクハラ被害でしたか・・・。」
「いいえ!それだけでは終わりませんでした!!その後もしつこく、私のスマホに電話をしてきて、恋人になるように強要してきたのです!!」
「失礼ですが、あなたの電話番号は―――――」
「親しい友人にしか教えてません!!後でわかったのですが、高野舟槙(こうや しゅうま)は取り巻きに命じて、体育の時間などに、教室にスマホを置いている私の友人のスマホを勝手に閲覧して、そこから番号を入手していたのです!!」
「学校の先生に通報しましたか!?」
「もちろん相談しました!そのかいもあって、私への交際を強制する連絡はなくなったのですが―――――今度は、私の母に交際を迫る連絡をしつこくしてくるようになったのです!!」
「ターゲットを変えたのですか!?」
「はい!」





私の問いに、怖い顔で即答する美人。







「『母親として、娘に交際するように命令しろ。そうしなければ、お前の夫を無職にしてやる。』とまで・・・!父まで脅してきたのです!!」
「学校への相談は?警察にも相談しましたか?」
「学校も警察も―――――――奴が、檜扇湖亀が溺愛する甥孫ということで、なにもしてくれなかった・・・いえ、何もできませんでした。」
「檜扇湖亀も、あなたの件に関わっていたのですか?」
「そうです。」







そう語る表情がゆがむ。







「両親は無職上等だと、必死で守ってくれました。でも、だからといって、本当に無職にしてしまっては、両親に申し訳が立たない・・・!引っ越しをしなければいけない段階まで追い詰められ、それと同時進行で高野舟槙(こうや しゅうま)は言い寄って来て――――――地獄でした・・・!!」
「弁護士へは相談されましたか?」
「引き受けてくれる弁護士さんがいないのですよ。檜扇未子が原因で。」
「檜扇未子が?」







あのマックでうその芝居をしたババアか。

あいつにも、そんな力があるのか?







< 427 / 854 >

この作品をシェア

pagetop