彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)







「檜扇未子がいる限り、檜扇家は、高野家は――――――日本国のお墨付きで、好き勝手をしてもいい状態なのです。」
「はあ!?日本国のお墨付きで悪事が出来る??」

そんなこと可能なの!?

(いや、可能だから・・・この人は、凛道蓮に話をしてるんだ。)

凛道蓮という役柄も、結構クレージーだもんね。



(とはいえ、凛道蓮には日本という国を動かす力はないのだけどな・・・。)







〔★凛は、自分が過大評価され過ぎていると痛感した★〕







(何者なのだろう、檜扇未子?)







聞くタイミングを見計らうが、話はどんどん深刻になっていく。







「両親や友達が味方してくれたこともあり、なんとか我慢して学校に通い続けたのですが・・・私は高野舟槙(こうや しゅうま)を見ただけで、倒れたり、吐いてしまうようになって――――――――不登校に追い込まれました。」
「失礼ながら・・・転校は考えましたか?」
「周りからは勧められましたが、嫌でした!!エスカレーター式とはいえ、苦労して入学した難関の名門の学校だったんですよ!?おまけに、私は被害者!!何も悪いことしてないのに、なぜ私が大好きな学校を辞めなければならないのですか!?」
「不愉快にさせて、申し訳ありませんでした。」
「あ・・・あ、ああ、いえ!ごめんなさい!私、凛道さんを怒るのは違うのに、八つ当たりを―――――――申し訳ありません!!」
「お気になさらないで下さい。それよりも、あなたが学校に行けなくなったことで、高野舟槙(こうや しゅうま)は、あなたを諦めましたか?」
「いいえ。」







低い声だった。
キレイな見た目とは不釣り合いな低音ボイス。









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