彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「私、モデルの仕事をしていて、雑誌の表紙にもなるのですが―――――――事務所経由で、あの変態が、とんでもない契約を結ぼうと言ってきたんですよ!!」
「・・・高野舟槙(こうや しゅうま)は、どんな契約を持ち掛けたのですか?」
「愛人契約ですっ!!!」
「あいつも愛人かよ!!?」
これだから檜扇家関係のクソ野郎どもは!!
高野家も十分悪だ!!
〔★女性軽視にもほどがあった★〕
「本当にどうしていいか困っている時に、一ノ瀬財閥のますみちゃんから凛道蓮さんのお話をうかがい、本日ご相談に来た次第です。」
「事情は分かりました。完全に、深刻ですね・・・!!」
話は分かった。
これは凛道蓮でなければ、解決できない問題だ。
「幸い、僕は高野舟槙(こうや しゅうま)との連絡手段があります。立場的にも―――――――有利です。龍星軍4代目総長・凛道蓮の名において、あなたへの佳子の嫌がらせへの謝罪と、愛人契約の撤回を命じます。」
「ありがとうございます!!謝罪はいらないので、とにかく愛人になれという話と、事務所へのプレゼント攻撃と、私への接近禁止を約束させて下さい!!関わりたくないのです!!」
「わかりました。」
「うははは!凛はもちろん、わしら龍星軍に任せときや!!」
「お願いします・・・!!」
そう告げると、一筋の涙を流し、深々と頭を下げる1目の被害者。
(・・・すっかり騙されたわ・・・)
あいつめ。
(高野舟槙めっ!!)
良い人ぶってるだけで、とんでもなく女癖の悪いやつだわ!!
(てか、冷静に考えれば、瑞希お兄ちゃんの原料が女狂いなんだから、似ていて当然か・・・)
「ありがとう、りっくん!!これで竹田里奈さんの問題は安心だよ~!」
「私からもお礼申し上げます、凛道様。ありがとうございます。」
「いえ、漢として、当然のことです。龍星軍総出で追い込みます。」
「じゃあ、りっくん!次の被害者の話も聞いてくれない!?」
「もちろんです。次はどなたですか?」
「私です。」
挙手しながら言ったのは、スーツスカートの美人。
「聞いて頂けますか?」
「あなたが僕に話すことで、あなたが救われるなら、教えて下さい。」
「ありがとうございます。では、お先に・・・」
まだ何も語っていない男女2人に会釈すると、東雲冬美さんは話し始めた。