彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)







「『病気の治療で、使われるから薬だ。』というのが、クズの言い分です。」
「高野舟槙は、大麻まで、手を付けていたのですか!?」
「聞く限りだと、中学のころからたしなんでいたようです。」
「常習じゃないですか!?それこそ、逮捕ものじゃないですか!?てか貴女は、大丈夫でしたか!?大麻を吸わされたりしたのですか!?」
「まさか!!パーティーの参加者の様子がおかしいので、かまをかけたんですよ!そしたら、大麻パーティーだとクズが言って!私も吸わされそうになりましたが、全力で抵抗しました!!合気道を習っていてよかったです!!」
「あ、武道をされてたのですか!?無事でよかったです!!習っていて、本当に良かったです!!」
「ええ、師範代の資格を持つ母には感謝です!!」
「じゃあ、無事に大麻パーティーからは逃げられたのですね?」
「いえ・・・逃げようとしたタイミングで、やって来たのですよ。」
「なにがですか?」
「スコットランドヤードです。」
「スコットランドヤード・・・?あれ?それってつまり―――――――――!?」
「警察が踏み込みました。」
「おまわりさーん!!?」







〔★それもロンドン警視庁だ★〕







「ええ!?あなたは大丈夫だったのですか!?」
「運よく、対応した女性警察が話のわかる人で、なによりも大麻が体から検出されなかったので―――――――――すぐに釈放されました。ですが、停学処分を受けました。」
「ひどい!!だまされて呼ばれて、その場に居合わせただけですよね!?ロンドンの大学ひどいですよ!!」
「違います。停学処分を下したのは、日本の大学です。」
「ジャパンが!?」
「ロンドン警視庁は、私の言い分を信じてくれ、ロンドンの大学も私を被害者として優遇してくれました。ですが、留学を終えて帰国した私に、日本の大学は・・・一方的に3か月の停学処分を言い渡しました。」
「3か月!?」
「うははは!えらい長いのぉ~!?」
「長すぎだよ。ヤマト!基本、大学での停学期間の最長が3か月だよ!?」
「そうなんです!おかげで・・・就職に不利です。現在も就職活動中です。」
「今も!?」
「はい。この後も、明日も企業の面接に行きますが――――――――このままでは、縁故入社しかないです・・・!縁故入社なんて、嫌なんです!!実力がなくて身内を頼ったなんて、思われたくないのに・・・!!」







そう告げると、ハンカチを目元にあてる2人目の被害者。









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