彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)







「未子一族を知らないのは引っかかりますが、聖歌ちゃんから、味方にするなら凛道蓮さんしかいないと言われ、今日、ここに来ました。悪に公平な裁きを下して下さいますか?私の無念を、晴らして頂けますか・・・!?」
「桐壺先輩からどのような説明を受けたかわかりかねますが、僕が敵と判断した以上は、ゴミ箱に入れるゴミクズでしかない。だからあなたは、奴のことをクズではなく、ゴミクズと呼ぶべきだ。みじめに捨てられる末路をたどるのですからね。」
「!!?そのお言葉を聞いて、疑念が消えました!!どうか、よろしくお願い致します!!」







初めて笑顔を見せると、キレイな姿勢で頭を下げてくれた美人さん。








(とはいえ・・・大きなことを言いすぎたかな・・・。)

ロンドン警視庁が逮捕できない一族か・・・。

(私の・・・絶対に凛道蓮の手に負えない。負えないけど――――――――)


「最善を尽くします。」


(少しでも力になってあげたい・・・!!同じ、レイプ未遂の被害者として――――――!!)



「ありがとう、りっくん!!これで東雲冬美さんの問題は安心だよ~!」
「私からもお礼申し上げます、凛道様。ありがとうございます。」
「いえ、漢として、当然のことです。龍星軍総出で追い込みます。」
「じゃあ、りっくん!次の被害者の話も聞いてくれない!?」
「もちろんです。次はどなたですか?」

「私です。」







低い声だった。
相手は、この場にいる唯一の男性。
【凛道蓮】からすれば、同性に当たる人物。







「教えて頂けます。」
「はい、どうか聞いて下さい。」







どちらともなく会釈をしあうと、漢同士の話が始まった







「私が高野舟槙(こうや しゅうま)と出会ってしまったのは、小学生の時です。」
「小学生、ですか?」
「はい、6年間同じクラスでした。両親が音楽の仕事をしていた影響で、私も音楽の道に進むことを早くから決めていました。だから、肩書に・・・自分に箔をつけたい高野舟槙(こうや しゅうま)と、名門で有名だった私立の音小で一緒になってしまったのです。」
これまでの話の流れを元に、私は被害者男性に聞いた。
「出会った頃から、女好きの変態でしたか?」
「・・・女子にモテようとしていましたね。同時進行で、自分より格下認定した男子をいじめる最低な奴でした。」
「!?じゃあ、あなたは高野舟槙(こうや しゅうま)に―――――――!?」
「いじめられました。」







2つほど、低いボイスで返事をする林利勝さん。









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