彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)






「完全なパクリではない、です。あの漫画は、兄と妹が主人公とヒロインですが、それを逆に―――姉と弟に変えて、描いていたのですよ。それ以外は、まったく同じでした。」
「馬鹿なの!?高野舟槙(こうや しゅうま)って、バカなの!?」
「うはっはっはっはっ―――――――――!!・・・アホやな。そんなんみんなにみせたら、パクリ野郎のあだ名が確定やんか。」
「それが・・・見せたのは、私と奴の取り巻きと奴の好きな女の子だけなんですよね。」
「え!?林さんの漫画は、クラス中に回し読みさせたのにですか!?」
「はい。取り巻きが、奴を褒める言葉を連発して、私と女の子は・・・対応に困ってしまって・・・」
「困らせるなよ!!」
「迷惑な奴やな!!」







ヤマトと二人で怒れば、苦笑いしながら林さんは言う。







「本当に困りました。どういえばいいのか・・・まさか、『鬼滅の刃のパクリじゃないか?』といえば、親友を傷つけると思って何も言えなかったのですよ。そんな私に代わって、アイドルの女の子が、『絵は上手だね。』と、苦笑いで対応してくれて・・・奴はそれで、私にマウントを取ってきました。」
「パクリのくせに、マウントしたのですか!?」
「盗作のプリンスのくせに、何様や。」
「それで、今の話の流れで、どこで逆恨みされたのですか?」
「実はアイドルの女の子が・・・パクリをしておいて、オリジナルを描いた私にダメ出しをする私を見かねて、代わりに高野舟槙(こうや しゅうま)怒ってくれたのですよね。」

「「あ。」」

(なるほど・・・好きな子に怒られたのが、いじめのスイッチになったのか・・・!)







〔★逆恨みの材料には十分だ★〕









< 441 / 854 >

この作品をシェア

pagetop