彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)







「そこからですよ。親友だと思った相手から嫌がらせが始まったのは。体育の時間は、『ゴールに入れるつもりだった。』と言って、私の顔や体にサッカーボールやバスケットボールをわざとあててくるのですよ。先生が注意すれば、間違えたと言い張って認めません。もっとも、あとになってわかったのですが、音小の教師は、檜扇未子に買収されていて、高野舟槙(こうや しゅうま)が悪さをしても、怒るポーズしかとらない、あるいはいじめられている私を無視するかのどちらかしかしない方針で対応していたそうです。」
「はあ!?小坊で買収クエスト出来たのですか!?」
「ちゅーか、檜扇未子って、なにもんやねん?さっきから、ちょいちょい出てきて目障りなんやけど?なぁ、凛?」
「そうですね・・・かなりの権力を持っているのはわかりますが・・・」


「・・・私が教える事ではないと思います。」

「え?」







私達のやり取りを聞いた林さんが、意味ありげに告げる。







「きたるべき時に、凛道さんは知ることになると思います。だから今は、私の話を聞いてもらえませんか?」
「あ、そうでしたね!被害にあった内容を聞くのが、今日の目的でしたね。」
「ありがとうございます。お礼として・・・ヒントを出しますと、檜扇未子は、日本国に守られてる人ですよ。私も子供だったので・・・まさか、親友の、一番仲良くしてくれている相手が、自分をいじめてくるなんて、信じられなかったのですよね。だからずっと、気のせいだと思うようにしていたのですが・・・」
「いじめは止まらなかったのですね?」
「はい。そのうち、体育の時間を利用して、攻撃してくるようになったんですよ。テニスボールやドッジボール、バスケットボール、バトミントンの羽、卓球の玉までぶつけてくるようになって・・・」
「ひどいいじめじゃないですか!?」
「1番ひどかったのは、サッカーでした。断っているのに、私にゴールキーパーをやらせて、クラスの男子全員でボールを蹴り入れてくるのですよ。顔面に当たれば、大当たりだと言って、高野が私の顔にボールを当てた相手に金品などをおごるので、6年間のサッカーの授業では、私がずっとゴールキーパーでした。」
「腹立ちますね!!」
「金の力使うのが、許せへんわ。」







〔★やることが悪質だった★〕









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