彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)







「いえ、それがおめでたくないのです。」
「えっ!?なぜですか??」
「恋人である女性の親御さんが、教育委員会の幹部なのですが、私が高野舟槙(こうや しゅうま)を6年間いじめていたというデマを流されているんです。」
「はあ!?逆でしょう!?」
「そう説明しても、当時の同級生達が、高野家に・・・正しくは、檜扇未子に買収されてしまい、ウソの証言をするので、破談になりそうなのです。」
「また檜扇未子かっ!!?」
「幸い、婚約者の彼女は私を信じてくれています。なんせ、私の漫画を褒めてくれた高野舟槙(こうや しゅうま)の好きな女の子だったので。」
「えっ!!?そういう運命なのですか!!?」
「ははは!ええ・・・恥ずかしながら、ラブラブですよ。」







そこで初めて笑顔を、照れ笑いをする男性。







「婚約者は、教員の職もやめて、身内とも縁を切ってでも、私と一緒になると言ってくれました。ですが私は、教師を志して頑張ってきた恋人の努力を身近で見てきました。ともに教員を目指して頑張ってきました。それを、権力に屈して諦めたり、縁を切る必要もないことをさせたくないのです。謝罪と、嫌がらせをやめてほしいのです。」
「ダメもとで聞きますが・・・弁護士に相談はされましたか?」
「昨日、婚約者と一緒に、最後の頼みの綱である44人目の弁護士の元にお願いに行って、依頼を断られました。もう手段はありません。」
「44人も断ったのですか!?」
「それだけ、檜扇未子の力は強いのです。だからこそ、凛道蓮さん・・・あなたに最後の望みを託していいですか?」
「わかりました!!龍星軍の4代目総長の名に懸けて、この凛道蓮があなたの身の潔白を晴らし、結婚というスタートラインに立てるように協力します!!」
「うははは!わし、やる気出てきたわ!!同級生もろとも全滅させたるわー!!」
「ありがとうございます・・・年下のあなたにこんなことは言いたくないのですが―――――――私と婚約者を助けて下さい。」
「助けます!!いじめの時効は5年ですが、名誉棄損に時効はありません!!」
「任したってや!!うはははは!」







深々と頭を下げる相手に、私も最敬礼をする。









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