彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)







「・・・あいつがまた連絡をしてきたんです。」
「高野舟槙(こうや しゅうま)ですか?」







私の問いに無言でうなずく相談者。
その様子を見つめながら確認した。







「・・・愛人契約ですか?」
「はい・・・ランクが落ちて、セブンにならないか、と。」
「僕がウルトラマンセブンのように、怪獣の高野舟槙(こうや しゅうま)の息の根を止めてあげます。だからあなたは、パティシエの修行に専念して下さい。」
「ありがとうございます・・・!!なんとか外出できるようになってきています・・・!!あの時―――――――中性的な男性が現れなかったら、私は刑務所にいるだけじゃなく、家族の運命も狂わせていたでしょうね・・・!!」
「ちなみに・・・中性的な男性の正体はわかりますか?」
「・・・祖母が調べたのでわかります。あいつのいとこで、シルバー社取締役社長の檜扇柊護さんでした。」
「!?」

(ヘルメットマンさん!?)


「なんやて!?あの不愛想な兄ちゃんかいな!?」
「そのようですね・・・。」
「え!?凛道さん達、知り合いなのですか!!?」
「・・・残念ながら。」
「そうですか・・・。私、檜扇柊護さんに対して、人間らしさを感じたんです。あいつや軽井沢のオーナーはクズでしたけど、あの人だけは・・・だから余計に、あいつへの、高野舟槙(こうや しゅうま)が許せない・・・!!私の人生を、めちゃめちゃにして・・・!!」
「桐生さん、お店の・・・ご実家は現在どうなのですか?」
「高野舟槙(こうや しゅうま)が広げたデマのせいで、倒産しかけましたが――――――なんとか、細々と・・・昔からのお客様のおかげでお店を続けられています。父が逮捕された時など、壁に犯罪者とペンキで書かれて・・・消しても、消しても、高野舟槙(こうや しゅうま)の取り巻きなどが書くので・・・警察も助けてくれなくて・・・」
「嫌がらせの記録は残していますか?」
「もちろんすべて、持っています。本日も持参しました。」







そう告げると、足元から持ち上げた金属製のトランクケースをテーブルの上へとおいてくれた。









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