彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)







〈あああああああああ!!高野め!!高野舟槙だけは許さないっ!!わあああああああ!!〉
〈よしよし、大丈夫よ!高野舟槙(こうや しゅうま)は退治されるから!〉
〈そうだ!!かなでも聞いただろう!?今度は高野舟槙(こうや しゅうま)が生き地獄を味わう番なんだ!!〉
〈お母さん!お父さん!〉



(あの2人は、女性の両親か・・・)

「失礼!そちらの女性の親御さんですか?」
〈そうです。田中かなでの父です。〉
〈同じく母です。〉







父親は娘の頭をなでながら、母親は娘を抱きしめながら挨拶をしてくれた。
だから私は言った。







「あなた方の愛娘さんを見て確信が持てました。高野舟槙(こうや しゅうま)が愛娘さんを狂わせましたね?」
〈あいつは鬼よ!!〉
〈そうです!!〉







母親は娘をきつく抱きしめ、父親は娘の頭を片手でなでながら、その場に正座する。
凛道蓮と向き合う姿勢で、父親が話し始めた。







〈私達の娘の田中かなでは、高野舟槙(こうや しゅうま)と同じ中学の同級生でクラスメートでした。〉
「中学時代の同級生でしたか?どんなセクハラを受けたのですか?セックスの相手にされそうになったのですか?」
〈違います!!娘は―――――――――・・・・・そちらにいらっしゃる『林利勝』さんと同じで、いじめにあったんです・・・・・!!〉
「いじめ?男女平等の社会とはいえ、男が女をいじめたのですか?」
〈そうです!!言葉による悪口から始まり、クラスメートをあおって、私達の娘をいじめ抜いたのですよ!!〉
「そのご様子だと、担任の教師も、校長も、警察も、弁護士も、教育委員会も、どこも助けにはならなかったのですね?」
〈仰る通りですっ!!檜扇未子の身内というだけで、誰も助けてくれない!!悪を悪だと言ってくれない!!黒を黒だと言わないんだ!!〉







血走った眼をする父親の姿に、並々ならぬものを感じたので確認を取った。










< 456 / 854 >

この作品をシェア

pagetop