彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)







「声にするのも苦しいなら、うなずくだけでいいです。あなたの傷の深さは、あなたにしかわからない。あなたしかわからないはずのことだけど、ここにいる皆にはあなたの傷の深さがわかる。」
〈・・・。〉
「かなでさんがいじめで深い傷を負っているのがわかる。傷ついていると知っている。なぜなら―――――――」







一呼吸おいてから私は言った。







「みんな、あなたと同じように傷つけられたからです。言葉の凶器で心をえぐられた者同士だから・・・僕達はわかりあえます。」
「りっくん・・・。」
「凛道様・・・。」
「「「「凛道蓮さん・・・。」」」」







そう伝えた結果―――――――







〈たっ!!!〉

〈かなで!?〉







ふいに、母親に抱きしめられていたいじめの被害者の女性が動いた。







〈たっ、たっ!〉


〈きゃあ!?かなで!?〉

〈うわ!?かなで!?〉







母の腕から抜け出し、父親を押しのけて画面の前までくる。








「かなでさん!?」








私が名前を呼べば、私に手を伸ばしながら女性は叫んだ。








〈たっ・・・助けて・・・・!!!〉

「!!?」









悲痛な表情で、涙でぬれた顔で、私に救いを求めてきたのだ。







(――――――――――――やるしかない。)

「はい、かなでさんを助けます。」







画面に触れているかなでさんの手に、私も自分の手を重ねながら言った。







「かなでさんだけじゃない。冬美さんも、里奈さんも、利勝さんも、ほなみさんも、俺が助けます。高野舟槙(こうや しゅうま)の呪縛から。」
「みなさんが俺に期待しようがしまいが、必ず、高野舟槙(こうや しゅうま)には報いを受けさせる・・・!!」







2つぐらい低い声で言えば、全員の目の色が変わる。
期待してないと言った東雲冬美さんでさえ、目を輝かせていた。








「龍星軍四代目総長の凛道蓮に、二言はない。」

(いじめとセクハラは許さない。)








そう宣言した時、被害者達は、1人、また1人と、声を漏らして泣き始める。
悲痛なBGMを聞きながら、私は凛道蓮のスマホを取り出し、龍星軍のグループLINEを開く。







(状況次第では、瑞希お兄ちゃん達、黒子ファイブにもご出馬願おう・・・・・。)







そう判断して、現役の龍星軍メンバーに、高野舟槙(こうや しゅうま)の社会的抹殺ミッションを命じたのだった。





〔★凛は人間関係の見直しを決めた★〕











~白テープ上等!!ヤンキー相談室開幕!!!~完~











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