彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「蓮クン、僕の腰や肩を持ってくれてもいいんだよ?」
「いえ・・・男同士で、それは抵抗がありますんで・・・。」
「ははは!それもそうか。」
私の発言に相手は気を悪くしなかった。
~~~~~~~~~~ギュウウウン!!
そのままバイクは走り出す。
バイクが動いてすぐに、私は気がついた。
(この人、運転が下手だ!!)
乗り心地がかなり悪い。
「しゅ、舟槙(しゅうま)さん、よく単車に乗るのですか?」
「いや~ほとんどのらないね。」
だろうな!!!
(同じ身内でも、ヘルメットマンさんの方が100倍運転が上手だった。もっとも、ナンバーワンは瑞希お兄ちゃんだけどね♪)
〔★凛はどんな時でも瑞希が1番だ★〕
ヘルメットマンさんの運転を思い出したら、ヘルメットマンさんのことが気になった。
(ヘルメットマンさんこと柊護さんは、クソ野郎とクソ女の子供・・・・・どんな人なんだろう・・・?)
「あの、舟槙(しゅうま)さん。」
「なに?蓮クン?」
乗り心地の悪さ、お尻の痛さを感じながらも、私は運転手に質問をした。
「甥孫のあなたは熱心に大伯母の湖亀さんのお世話をしてますが、柊護さんはどうなのですか?」
「あー・・・あいつも、それなりにはしてるよ。僕よりは貢献度は低いけどね。」
その口ぶりは、どこか馬鹿にしているような言い方だった。
それで心の中でムッとしてれば、何も知らないゴミクズ野郎はしゃべる。
「僕と柊護は同じ年で、昔から一緒に育った仲だけど、とにかく意見が合わないんだ。大伯母様の治療に関しても意見が合わない。」
「え?治療に関して、意見があってないのですか?」
「そう!僕は蓮クンと瑞希クンを最後の砦としてすがってるけど、柊護の奴は『おばあ様の身体に愛人の子の血が入るのはイヤだ。』って言っててね。」
「な!?なんですか、それ!!?」
「あ、気を悪くしないでくれ!!あと、僕が愛人と言ったわけじゃないよ!?」
「ヘルメッ・・・・柊護さんは、愛人の血とか、そんなことを言ってるのですか!?」
瑞希お兄ちゃんを愛人の子扱いしていることにムカついた。
(瑞希お兄ちゃんも瑞希お兄ちゃんのお母様も、好きでそういう立場になったわけじゃないのに!!)
そんな思いで問いただせ、高野舟槙(こうや しゅうま)は怒った声で言った。