彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)





「凛、そのスマホは伊織が手配してくれたものだ。」
「獅子島さんがですか!?」
「そうだ。俺が用意したものを、瑞希名義で契約させてある。代わりはいくらでもある。非常時には、スマホごと削除してしまって構わん。」
「壊せって言うのですか!?」
「身バレを防止と見せかけて、壊しても良いぞ。もっとも、どんなに頑張っても、契約者が真田瑞希だとたどり着けないようにしてある・・・・むろん、使用者が凛道蓮とバレることは9割ない。」
「残り1割は、どうするとバレるんすかー!?」
「国が関与すれば、バレる1割だ。」
「ほぼ、バレないスマホじゃないですか!?」





〔★安全性の高いスマホだった★〕



「国の関与って何ですか、獅子島さん!?前々から思ってましたが、獅子島さん、どういう身元なのですか!?」
「凛道、モニカと烈司も、お前に渡したいものがあるそうだ。」
「話そらす気ですか、獅子島さん!」
「凛先輩の質問に答えろよ!」
「わー!?早まらないで雷太!!獅子島さんには敬語を使いなさい、敬語を!」
「でもあいつ!凛先輩の――――――!!」
「総長命令だ、雷太!!」
「っ!わ、わかりましたよ~・・・」



鬼気迫る私の言葉で、シュンとして静かになる雷太。
これを見て、メガネの先輩が残念そうに舌打ちをした。





「チッ!凛道め・・・ヤキを入れそびれたではないか・・・」
「怖いこと言わないで、獅子島さーん!お許しを!!」
「凛先輩を困らせるな!じゃなくて、困らせないで下さい、獅子島さん!」
「だったら、伊織関係は口出しするな、中坊。ほーら、凛たん♪話題を烈司さんにチェンジしようぜ~♪」
「ちょっと!それを言うなら、モニカちゃんに、でしょう!?」
「いや、烈司とモニカだろう?オメーら、凛になにを渡す気だ?」


「「ふっふっふっ!」」





瑞希お兄ちゃんの問いに、声を合わせて笑う烈司さんとモニカちゃん。





「「良い物♪」」


「わははは!もったいぶらずに、さっさと見せろやー!!」
「うるさいわよ、皇助!凛ちゃん♪見たい!?見てみたい!?」
「烈司さんとモニカからのプレゼント、凛たんは見たいかなぁ~?」
「み、見たいです!」





迫りくる2人の迫力に負け、首を縦に振る私。
すると、男前とオネェさんは見せてくれた。






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