彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)



「そうだよこの子だよ、チョコちゃんだよ!あんたらには悪いが、あんたら警察が解決できなかった民間の問題を解決してくれたのが、チョコちゃん達なんだ!」



途端に、伊藤巡査の顔色が悪くなる。
申し訳なさそうに、大原会長さんに頭を会下げながら言った。



「その節は、すみませんでした、大原さん。」
「あ、わりぃわりぃ!意地悪言ったわけじゃないんだ!謝らないでくれ!その、なんだ、あれだ!これを機会に、地域の安全を守る活動で、お互いに仲良くなってこうって話だよ!」
「そのつもりで、市民の皆さんの安全を守っていきます。」
「頼りにしてるぜ! チョコちゃんもサナちゃんも、伊藤巡査に負けないようにしような!」
「いや、本当に危ない時は、我々警察の指示に従って下さい!特にチョコ君はまだ子供です。だからチョコ君、無茶はしちゃだめだよ?大人の言うことをよく聞くんだよ?」
「はい!わかりました!なので伊藤巡査さん、本日はご指導の方、よろしくお願い致します!」
「!?こちらこそ、よろしくお願いします。礼儀正しい子だね?」
「そうでしょう、そうでしょう!?もっと言ってやってくれ、伊藤巡査!おじさんが溺愛する孫だからね!良い子なんだよ!チョコちゃんも、困ったことがあったら伊藤巡査に言うんだぞ!?いいね!?」
「そうしてね、チョコ君。大原さんの言う通りだよ。いつでも相談に乗るからね?」
「はい!ありがとうございます、伊藤巡査さん!」



優しく言うおまわりさんに、90度のお辞儀をした時だった。



「伊藤巡査!ちょっと来てくれませんかー?」



青年部の人が伊藤巡査を呼ぶ。



「今行きます!じゃあ、失礼します。」
「おう!任せたぜ!」
「お疲れの出ませんように。」
「!?おつか・・・本当に古風な言い回しをよく知ってるね、チョコ君は?ありがとう、頑張るね。」



そう言って、私の頭をなでると、呼ばれた方向へと言ってしまうおまわりさん。
伊藤巡査がいなくなったところで、大原会長さんが言った。



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