彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「あ・・・。」
「後日、お前の診断書を見に行く。」
―――――――――ギュワン!!
静かな声で告げると、エンジンをかけて単車を急発進させる。
ギュワワワ―ン!!
「ヘルメッ―――――――柊護さーん!!?」
相手の名前を言い終わった頃、柊護さんは見えなくなっていた。
それでも大声で叫ぶ。
「ノーヘル運転は危ないですよ――――――――――!!?」
「それはそうかもしれないけど、凛君!!?」
「そういう問題じゃないっしょー!!?」
ツッコミを入れながら、私にかけよってくる涼子ちゃんと雷太。
「「もっと他に、言うことあるでしょう!?」」
「え?お礼は言ったよ??」
〔★凛はどんな時でも天然だ★〕
「た、確かに凛君はお礼を言ったけどね~!」
「あいつ、凛先輩のこと、汚いとか離せとか!!偉そうに言ったじゃないっすか!!なんで言い返さないんすか!?」
「だって僕、慢性女好きのクズの子供じゃないもん。」
「え!!?」
「・・・マジで、親子じゃないんすか・・・?」
「そう言ってるじゃないか?」
「あ、あの!凛君が愛人の子供って―――――――どういうことですか・・・!?」
「ああ、涼子ちゃんには話してなかったね?いや、実はさ~結婚してるのに、タイ人女性の愛人や日本人女性の愛人が5人以上いて、子供までたくさん作ってる奴の子供だと、僕が勘違いされていて、困ってるんだ~」
「はい!?な、なんでそんな勘違いになってるのですか!!?」
「あはは~びっくりだよね~?胸糞悪い話なんだけど、涼子ちゃんを巻き込んだ以上、説明するよ。実はね―――――」
目を丸くする女の子に、慢性女好き病のクズの話をしようとした時だった。
キュォオオオオン!!
「うははは!!りーんー!!」
「ヤマト!?」
呼び出した相棒が到着する。