彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「だったら、どうして現皇后様が、宮内庁で人格否定されたと、当時皇太子だった今上陛下が世間に発言をして牽制をしたんだ?」
「そ、それは――――――・・・・・・・!」
「今上陛下は、愛妻をいじめている人物の名前を出さなかったのは、名前を出すともっと愛妻がいじめられると思ったんだろうぜ。さらに言えば―――――――今上陛下の性格なら、イジメる側に気づいてほしかったんだろうな。」
「気づくって・・・!?」
わからないという顔をするバカに、私はわざわざ説明してやった。
「いじめという悪いことをしていると、自ら気づいてほしくて、きっかけとなるように賽を振ったんだ。それが、妻の人格が否定されてる発言だよ。別の方法も取れたはずだ。簡単なのは、犯人達の名前を言ってよかったんだ。それをしなかったのは、周りの人達に言われて、しぶしぶカタチだけの謝罪、その場しのぎのごめんなさいを、反省をしないお詫びをされるよりも、心から悔い改めてほしいと思ったんじゃないのか?主犯の上皇妃と弟宮夫婦と上皇と義理の妹に。」
「おじい様と叔母様を悪く言う気!?」
「なんでそこで、実の両親をかばう言葉が出ない!!?イジメていたのを知っていたな!!?」
「あっ・・・!」
しまったと言う表情をする元皇族に嫌悪する。
(噂は事実だったか・・・皇后さまは義理の母にいじめられているのだな・・・。)
ネットニュースを本気にするつもりはない。
証拠もないデマで人を傷つけることがどんなにつらいことか、経験している私はわかる。
平成の時代、今上一家はひどいバッシングを浴びた。
同時に、なぜか当時の皇后だった上皇妃をやたら『慈愛に満ちた善人』だと放送する番組が増えた。
兄が愛妻をかばう姿に、『兄上は変わられた。頭がおかしい。』と、人格否定発言した身内を、味方するどころかバカにする発言をした当時の皇太子の実弟の発言も正当なものとして扱われた。
同時に、精神的に参っている義姉の皇太子妃を、実弟の弟の妻は、常につらく当たり、意地悪としか言えない対応を『笑顔』でし続けていた。