彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
それだけのことをされて、どうして、イジメられている側が悪く言われるのか?
なによりも、一番矛盾しているのは―――――――――
「本当に上皇妃が慈愛に満ちた善人なら、実の息子が愛妻の人格否定のいじめを受けている事実を告発した時点で、いじめ問題を解決するために行動している。行動しなかったのは、行動できないほどか弱いのではない。皇室改革をした上皇妃が、行動制限がされていたとは考えられないので――――――――!!」
「もうやめて!!」
「現皇后を、いや、今上御一家をいじめていたのは、実の親の上皇妃だったならつじつまが合う!!!」
「黙れクソガキ――――――――――――!!!」
「は!?な、何が起きたの??」
元皇族の絶叫で、気絶させた檜扇湖亀が目を覚ます。
「お義母様!!気が付かれたんですか!?」
「え?ええ??え?私は一体―――――――――!?」
「もっかい、寝てろ。」
ゴキ!!
「ぐえ!?」
「お義母さまぁぁぁぁぁ!!?」
再度〆落とせば、だらしなく口を開いて気を失う老害。
口からつば垂らすなよ~私の服を汚すなよ~
「お、お、お前!!不遜罪よ!!おばあ様に言いつけてやる!!」
「言いつけるのに意味あるの?現在皇室の頂点に立つのは、天皇陛下ですけど?」
「ばーか!!上皇の立場であるおばあ様達が、一番に決まってるでしょう!?おばあ様達が使ったお金の残りを、小銭をかき集めて生活してる天皇なんて、名前だけの天皇よ!!あいつらの月末のメニューが何か知ってるの!?貧乏カレーよ!!」
「貧乏カレー・・・?・・・節約カレーじゃなくて?上皇妃が、毎月服を新調するしわ寄せで、長年、節約のために作ってるカレーを、貧乏と表現するのはおかしいでしょう?」
「お母様は貧乏カレーだと言ってたわ!!我が家は、お父様がおばあ様に愛されてるから、そんな貧乏な思いはしたことがない!!結婚前だって、一人暮らしをしたいと言ったら、50億の家を建ててくれた!!専用道路作りはは節約して、数億でがまんもしたわ!!窮屈で、自由のない生活に耐えたご褒美として、私は二三人君と出会えたのよ!!」
とことん価値観が違うと思いながら、私は元皇族に再び正論を述べる。