彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)








「やめてやめて!やめろっていってるだろう、庶民!!」
「いいからさっさと、無傷で元気な真田瑞希様をここに連れて来い。」
「はあ!?そんなことしたら、お前ら二人で逃げるでしょう!!?」
「ばあば、愛娘の未子は、ばあ場が嫌いなんだって~オラよ!!」
「ひぎゃあああああああ!!未子!!この馬鹿娘!!は、早・・・痛い痛い!!早く瑞希を連れて来い!!」
「で、でも、お義母様!!」
「早くしろ。」
「ぎいいいいい!!ひいいいい!!痛い痛い!!ごめんなさい!!痛い痛い!!早くしろよバカ嫁!!」
「!!?」








般若顔で言う檜扇湖亀に、ショックを受けた顔をする檜扇未子。
そして泣きそうな表情で叫ぶ。








「ご、ごめんなさい、お義母様!!嫌いにならないで!!すぐに連れてくるから!!」








そう言うと、スマホを取り出して耳にあてる元皇族。








「私よ!!大至急、真田瑞希をお義母様の、檜扇湖亀様の病室に連れてきて!!」








思惑通りに進み、内心安堵する私。
でも、油断はできないので、余裕があるふりをして煽った。








「瑞希お兄ちゃんが来るまで時間あるね~」
「痛い痛い!!やめろ!やめろぉー!!」
「ちょっと!呼んだからもうやめて!!お義母様を痛めつけないで!!」
「じゃあ、瑞希お兄ちゃんが来るまで、昔話しようか?」



「「だから、痛めつけるのをやめろって言ってるだろう!!?」」



「それは、檜扇達比古の答え次第だ。」
「ええええ!?わ、わし!?」
「馬鹿亭主!!早く答えろ!!」
「そうよ!!何でも答えなさい、バカ親!!」
「準備はよろしいですか、檜扇達比古?」
「く、くそ!!何が聞きたい!!?」








苦虫を嚙み潰したような表情で聞いてくる老人に、私は冷めた気持ちと表情で聞いた。










「なんで、檜扇龍憲を殺した?」
「っ!!?」










それに言葉を詰まらせる檜扇家の次男。










(録音している以上、自白は記録しておきたい。)










これまでのやり取りで思い知らされた。
部落者差別の被害者という立場を利用する女と共謀して、ハムスターを食べるゲテモノ食い野郎がどれだけ悪行を行ってきたか。
そこへ、日本国家どころか、海外まで影響を与える降嫁した元皇族が、コラボされれば、どんなに危険かわかった。










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