彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)





「姉さん!!」
「湖亀!!」
「大伯母様!!」
「やめて!!凛道蓮!!お前の言う通りにしてやってるでしょう!?」
「はあ?その割には、立場をわきまえない態度と言葉遣いだな?マジでこのババア、殺すぞ?」
「そんなことしたら、お義母様が言った方法で真田瑞希を―――――!!」
「殺せないね!!!でも!!!俺は!!!檜扇家の血が流れてるから!!!檜扇湖亀を嬲り殺せるよ!!!今!!!この場で!!!お前らの目の前で!!!殺せる!!!わかるよな!!!?」
腹の底から声を張り上げれば、全員が後ずさりをする。
「痛い痛い!痛いよー!痛いから!!やめとくれ!!蓮ちゃんやめて!!痛いよー!!」
「やめる代わりに、俺の質問に正直に答えるか、檜扇湖亀?」



「答える!!答えるからっ!!」



コンコン!!





檜扇湖亀の同意に合わせ、部屋の戸がノックされる。






「失礼します、未子様!!」






そう言って現れたのは―――――――――






「遅いわよ山口!!」






宮内庁をクビになったのを、檜扇未子に拾われた闇医者。






「も、申し訳ありません!!ですが、真田瑞希を連れ――――――――ああ!?どうなってんですか、これは!!?」
「うるさい!!早く真田瑞希をこっちに来させて!!」


「言われなくても入るよ!!」






元皇族の言葉に乱暴に答え、ズカズカと室内に入ってきた人物。
相手は、私を見るなり、ふてくされた表情から、目を見開いて驚いた。








「凛!!?なにしてんだ!!?」
「ご無事でしたか、瑞希お兄ちゃん!!」








数十分ぶりに再会した愛する人だった。








「瑞希お兄ちゃん!!早く僕のところまで来て下さい!!」
「お、おう!」








戸惑いは見せたが、まっすぐに私のところへ来てくれた瑞希お兄ちゃん。








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