彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「痛い痛い!顔が痛い!」
「ああ、かわいそうなお義母様!!これというのもすべて―――――――――!!」
そう叫びながら、元皇族が鳥恒先生をにらむ。
これに鳥恒先生は――――――
「あっかんべー♪」
大人げない・・・人を小馬鹿にする表情で、両手の人差し指で、両目の下を引っ張りながら、湖亀達に舌を出して見せていた。
これに元皇族が目の色変えてキレる。
「無礼者!!私を皇族の身内と知っての無礼か!!?」
「知ってるぞ~辞退した一時金以上の税金で、贅沢三昧生活をし続けてるのも知ってるぞ~悪人!!」
「元皇族は、一般人なんだから、仕送りをしてもらったり、生前贈与をもらって良いのよ!!何も悪いことなんてしてないわ!!柊護くん!!あの生臭坊主を捕まえて!!」
それで高野槙雄の部下を殴り倒して、振り返ったヘルメットマンさんが言った。
「他の奴に頼めよ!」
「柊護くん、ママ困ってるのよ!!?」
「はあー・・・・わーったよ。」
そう言って、ポキポキとこぶしを鳴らしながら鳥恒先生に近づいて行くヘルメットマンさん。
「おやめください、ヘル・・・柊護さん!!」
「蓮君!?」
危険だと判断し、とっさに鳥恒先生の前に躍り出る私。
「ほおー俺とやろうってのか、凛道蓮?」
「やっちゃえ!やっちゃえ!柊護くんっ!」
「そうは問屋が卸さないでござる!!」
そんな声に合わせ、人影が私の前に躍り出た。
「つなぐ!?」
「我が君への無礼は許さん!!」
シュ!!
そう言うなり、鳥の子を檜扇未子達へと投げつけるつなぐ。
ボフ!!
「きゃあ!?柊護くーん!!」
「ぐああ!?柊護来てくれ~!!」
「ゴホゴホ!!柊護ちゃ~ん、ばあばを助けてー!」
「ゲホゲホ!!柊護!!柊護!!」
「へいへい・・・聞こえてるよ。」
両親祖父母からの要請を受け、私から離れて行くヘルメットマンさん。
「待て!!高野湖亀と檜扇達比古の血を受け継ぐ若僧!!思い知らせてやる!!」
「あ!?やめて下さい!!」
そう言って、ヘルメットマンさんに飛びかかろうとするご老体を、寸前のところで引き留める。