彼は高嶺のヤンキー様１０（元ヤン）

「新平民を殴った！！差別じゃ！！差別じゃ！！」
「じゃあ公平さを考慮して、平民殴るわ。」

バキ！！

「ぶぐ！？」








そう言って瑞希お兄ちゃんが殴ったのは―――――――








「父さん！？」
「お義父様！？」








檜扇湖亀の夫だった。








「な、なぜわしを殴った！？」
「平民だから。」
「ここにいる全員が平民じゃろうが！？」
「あ、ちと訂正。檜扇湖亀の平民の夫だから。」
「私への嫌がらせのつもりかい！？真田瑞希っ！！？」
「そうですが、なにか？つーことで、オメーが騒げば、オメーの旦那様の檜扇達比古を殴る。」








グッと握りしめた拳を見せながら瑞希お兄ちゃんが言えば、青い顔で檜扇達比古が妻に訴える。








「こ、湖亀ちゃん頼むから、大人しくしておくれよ！！」
「フン！なにさ！猫なで声を使うのは、野薔薇ちゃん専用になったんじゃなかったのかい！？」
「何言ってんだ！！豊臣秀吉も言ったじゃないか！？『閨においても、何においても、寧々が１番だ！！』と！！わしにとって、永遠のナンバーワンは湖亀ちゃんだけじゃよ～！？」
「チッ！そういうことにしといてやるよ・・・！！女遊びもほどほどにしな！！自分の小遣いの範囲で遊ぶんだよっ！！？私の金を使ったら、容赦しないからね！！？」
「もちろんだよぉ～♪愛してるよぉ～湖亀ちゃ～ん♪」



（なんて最低な愛情表現なのだろう・・・）

豊臣秀吉は嫌いだけど、その妻のお寧々様は好きだから、言い訳に使われると腹立つな～！








〔★凛は女好きに厳しかった★〕








「さすがお義母様！なんて寛大なんでしょう！そんな素敵なお義母様に手を上げるなんて――――――恥を知りなさい、真田瑞希！！」
「オメーよりは、羞恥心あるけど？」
「それが目上に対する口の利き方か！？やっぱり、母親が卑しい目賭けだと、その子供も礼儀知らずに育つのねぇ～」
「なんだとテ―――――――！？」
「なんだとテメー！！？」

パンパンパンパーン！！

「ぶぶっ！！？」
「凛！！？」








愛するお方のご暴動を侮辱したバカに対し、お仕置きの往復ビンタを食らわせる私。





〔★今度は凛が先手を打った★〕