彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「瑞希お兄ちゃんの写真で僕を買収しようとは、何を企んでるんだ!!?この卑怯者の極悪人め!!」
「誤解だよ!!写真を持ってるのは、俺が真田瑞希の父親だからだ!!!」
「えっ!?」
口ひげ男の言葉で、身体が凍り付く。
(ちちおや?)
ちちおやって―――――――――――――あの父親?
(お、親子って意味の、父親!!?)
〔★相手からの爆弾発言、凛に動揺を与えた★〕
男の言葉に、頭が真っ白になる。
「ち、父親って――――――――――――お父さん・・・!?」
「そう!!真田瑞希の俺はお父さん!!」
「うええええええええ!!?」
戸惑い、動揺してしまったが、それは私だけではなかった。
「な!?こいつが真田さんの――――――――!?」
「うははは!おとんー!?」
「そうだ!!真田瑞希の父親だ!!!」
堂々と断言され、心身共に固まる私。
(この人が、瑞希お兄ちゃんのお父さん!!?)
気づけば叫んでいた。
「全然、似てな―――――――――――――――――――い!!!」
(こんな汚い口髭のしょぼくてうんさんくさいやつが、瑞希お兄ちゃんの原料なわけないよ!!)
〔★自己申告の父親は、顔面偏差値が低かった★〕
「絶対違う!!!瑞希お兄ちゃんに似てないから赤の他人だ!!!僕は騙されないぞ!!!悪者め―――――――!!!」
「落ち着け落ち着け!!!親子だから!!!瑞希は、高祖母似なんだよっ!!!」
私の絶叫に、絶叫で答える瑞希お兄ちゃんのお父さん。
「ひいおばあ様似!!?」
「そう!!!ひいおばあちゃんに似てるのっ!!!」
それなら似てなくても納得。
そう思うと同時に、思わず本音が出てしまった。
「お父さんの方は、似てなくて可哀そう・・・・・。」
「なんで俺が同情されなきゃいけないんだよ!!?おじさんだって、イケオジだろう!!?」
「僕の趣味じゃないです。」
「凛先輩が無理なら俺も無理!!」
「わしもわしもー♪うははははは!!」
「評判悪いですね、あなた。」
「初対面でこの仕打ちはひどくない!!?」
〔★凛達は辛口だった★〕