彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「とにかく!瑞希も関係する、大事な話があるんだ!!」
「お、お待ちください!それでしたら、すぐに、瑞希お兄ちゃんに連絡を致しま―――――――!!!」
「瑞希に連絡しなくていい!!今日来た目的は、君だ、凛道蓮君!!!」
「え!!?ぼ、僕っ!?」
思わず自分を指させば、首を縦に振りながら瑞希お兄ちゃんのお父さんだと名乗る口ひげ男は言った。
「瑞希のことで、どうしても君にしか、凛道蓮君にしか頼めないことがあるんだ!!!お願いします、一緒に来て下さい!!!」
そう言うと、最敬礼のお辞儀をする口ひげ男。
「え・・・!?」
戸惑う私に、頭を下げたままの状態で口ひげ男は言う。
「時間は取らせない!!瑞希が帰ってくるまでには開放する!!フェリチータに入れてもらえないとわかったから、別の場所で話をさせて下さい!!」
「あ、あの、僕は――――――――!!」
(どうするこれ!?ついて行っていいのこれ!?)
困ってしまい、ヤマトを見れば、口をへの字にしていた。
雷太を見れば、うなりながら口ひげ男にメンチを切っていた
(・・・・・断ろう。)
仲間の反応はよくない。
それを強行してついて行って、なにかあれば、それこそ瑞希お兄ちゃんのご迷惑になってしまう。
「あの、申し訳ないのですが―――――――」
「一緒に来てくれたら、最初に見せた瑞希の写真と、今見せた瑞希の写真に加え、瑞希の体操服姿の写真を凛道蓮君にプレゼントします!!!」
「お供しましょう!!」
「えー!!?ちょっと凛先輩!!?」
「うははは!ついて行くんかーい!!?」
(だって、だって!瑞希お兄ちゃんの昔の写真がもらえるんだよ!?ついての一択でしょうが!!)
という本能は隠しつつ、漢モードの顔で言った。
〔★凛は誘惑に負けた★〕