彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「心配かけてごめん・・・。本当に、なんでもないんだ。」
「今は、そういうことにしとくわ。凛が話したくなった時に聞くからのぉ?」
「・・・うん・・・。」
私が悩んでいることを、関西男子は見抜いていた。
「・・・考えてみれば、ヤマトとも長い付き合いになってきたね・・・。」
「半年越えたからのぉーもう11月!あと一か月で今年も終わりや~!」
おにぎりを口に入れ、背伸びしながら言うヤマト。
「そうだね・・・。」
サンドイッチをほおばりながら、私は相づちを打つ。
「ほな、話題変えよか!!ついに阪神タイガースが37年ぶりに優勝したのを記念して!!放課後は阪神タイガースショップに、わしと買い物に行かへんか!?」
「あ、ごめん!今日、檜扇湖亀の手術結果がわかるから、獅子島さんに呼ばれてるのよね・・・。」
「うはははは!瑞希はんやのーて、獅子島はんなんかぁ~!?」
「うん・・・獅子島さんが、ラポン女王様を連れてきたから、獅子島さんが最後まで担当することになったって、烈司さんに言われて・・・」
「うはははは!残念やのぉ~!ほな、ながちゃん誘って行くわ!今日が、優勝記念のお楽しみ袋の販売日当日やからな~!」
「そうして。楽しんできて、ヤマト。」
「うはははは!ちゃんと凛の分もこーてくるさかい、安心せいよー!あ!わし、学校終わったら直で店に行くさかい、わしの家の方には、自由に入って着替えてええからの!」
「ありがとう、ヤマト。そうさせてもらうよ。」
「うはははは!ユニフォーム買いまくるでぇー♪」
ご機嫌に言うと、スマホを出してちーちゃんに連絡を始めるヤマト。
幸せそうな横顔に、思わず私の頬も緩むのだった。