彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)





「ど、どうしたんですか!?ヘルメットしてないじゃないですか!?」

ヒュン!

「えっ!?」





私の問いにあわせて、ヘルメットを投げてよこすヘルメットマンさん。
思わずキャッチして、聞き返す。








「あ、あの!?一体何の御よ―――――――――!?」
「黙って後ろに乗ってついて来い。」








そう言って、いつも着用しているヘルメットをするヘルメットマンさん。










「あの!!僕、これから用事があるので―――――――!」
「真田瑞希に関わる連絡事項をする。早くしろ。」
「瑞希お兄ちゃんに!!?」










そうと聞いては、無視することはできない。
急いでヘルメットマンさんのバイクの後部座席にかけよると、素早く着席をしてヘルメットをかぶる。








「落ちねぇーように、ちゃんとしがみついてろ。」
「へ!?しがみ――――――――――!?」

ギュウオォ―――――――――――オン!?

「わあ!?」








バイクが急発進する。
その反動で、思わずヘルメットマンさんの身体に抱き着いてしまう私。








「す、すみません!故意に、お身体に触ってるわけじゃないです!今、タンデムを持ちますので―――――――――」
「このままでいい!ちゃんと捕まってろ!」
「えっ!?」

ギュウオオオォ――――――――――――――――――――ォオン!!

「えええええ!?ちょ!?速っ!?速い―――――――――――!!?」








発進の時点で制限速度は超えていたが、それを上回る加速をするヘルメットマンさん。
強い風圧に思わず、目を閉じて、ヘルメットマンさんにしがみつく。
こうして、行き先も告げられないまま、私はヘルメットマンさんについて行くことになったのだった。








< 757 / 854 >

この作品をシェア

pagetop