彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)





「こちらは、緑化活動により、専門業者に庭園を発注して作りました。景色はもちろん、緑は目に良いですし、お心も癒されるようになっております、凛道様。」
「そうなんですね~・・・てか!!凛道と呼び捨てで結構ですよ!目上の方に、様付けで呼べれると申し訳がありません!!」
「そうはまいりません。坊ちゃまがゲストをお呼びするのはまれなこと。それだけ凛道様は特別でございます。申し遅れましたがわたくしも成島と申します。」
「え!?あなたも、成島さんと仰るのですか?」
「はい。そっちにいるのは、わたくしの孫でございます。柊護坊ちゃまの秘書として、お仕えをしております。」
「・・・改めまして、よろしくお願いします、凛道様。」





祖父の紹介であいさつをする孫だが・・・どうも私は歓迎されていない感じが、言葉の音程で伝わってきた。





(私なにもこの人に悪いことしてないのに、なんで嫌われなきゃならないのだろう・・・)





〔★凛は理不尽な気持ちになった★〕





「こちらこそ、以後お見知りおき下さい。成島さんとそのおじい様。」





再び、2人に向かってそれぞれ会釈をする。
これに老紳士はニコニコし、孫の方は無表情で応じた。





チーン!





エレベーターが、目的の階で到着する。
エレベーターのドアが開けば、受付があった。
美人2人がカウンターの中にいて、その側に屈強な身体のガードマンがいた。
美女2人はこちらを見ると立ち上がり、ガードマンは身体ごとヘルメットマンさんに向き直ると、頭を下げながら言った。








「「「檜扇社長、お帰りなさいませ。」」」

「おう。ジュースと菓子を用意してくれ。ガキが好きそうなもんで良い。」
「かしこまりました。」
「ご用意出来次第、お持ちしてよろしいでしょうか?」
「そうしてくれ。」

「「承りました。」」








頭を下げる美女2人の前を、さっさと通過するヘルメットマンさん。
私はそんな彼について行きながら、美人な受付嬢2人にも会釈する。
これにきれいな笑顔で返してくれるお姉さん達。








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