彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「ドナーの件だが、正式にお前ら2人は一致しないので除外された。おばあ様の手術も成功した。」
「え!?そうなのですか!?」
「高齢の割には、体力があったからな。当分長生きするが、オメーと真田瑞希には手出しはしない。そういうことだ。」
「その約束、守って頂けるとありがたいです。」
「俺は守るつもりだ。」
「失礼ですが、あなたは信用できますが――――――――――」
「親父達の方か?」
「檜扇湖亀夫婦の方もです。すごい剣幕で、殺そうとしま・・・あ。」
そこまで行って、成島の祖父と孫の存在を思い出す。
(これ、聞かせちゃいけない内容じゃない!!)
なにナチュラルにしゃべってるの私っ!!
慌てて口ごもれば、それを察したヘルメットマンさんが言った。
「安心しろ。成島の祖父と孫は、俺が信頼する人間だ。昨日の出来事も承知の上だ。」
「あ、そうでしたか・・・。」
ホッとしたような、しないような・・・
「心配しなくても、俺の懐刀は口が堅い。」
「そうですか・・・。」
懐刀なんだ・・・。
(なんだろう・・・。)
ヘルメットマンさんに違和感を覚える。
(この人だけ、檜扇家の人間と違う感じがする・・・。)
極悪悪女の檜扇湖亀とゲテモノ食いの女好きの檜扇達比古教授の孫で、口ひげ超エロ親父と下種の極みの元皇族の実子とは聞いてるけど・・・
(まともなんだよね・・・。)
テーブルには、コーヒーとオレンジジュースとゴディバのチョコがある。
「食え。」
「は、はい!いただきます・・・。」
両手を合わせ、シルキロールの下からストローを差し込んでオレンジジュースを飲む。
その間ヘルメットマンさんは、巨大な机とテーブル・・・執務用の物なのだろうか?
執務机にもたれかかり、そこの上に置かれたタバコとジッポを手に取っていた。
私がストローを口から放し、一度、ジュースの入ったコップをテーブルに置いた時、ヘルメットマンさんは煙草を口にくわえて火をつけて吸っていた。
コーヒーを飲みに、こちらに来る様子はない。
(ひとまず・・・相手の出方をうかがうしかない。)
そう思っていたら、タバコを1本吸い終えたヘルメットマンさんが私を見る。