彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)



檜扇(ひおうぎ)さんのおごりでスイーツばかりか、昼食もごちそうになった私達3人。
ご飯を食べている間も、檜扇さんは終始踊り続けており、身体全体を使って喜びを表現し続けた。
昼食が終わったところで、さっそく母に知らせたいからという檜扇(ひおうぎ)さんの一言で解散となった。
その際、檜扇(ひおうぎ)さんに頼まれた。







「凛道蓮君!!瑞希が母のお見舞いに同意したらすぐに連絡が欲しい!これからのことを考えて、連絡先を交換しておきたい!連絡先を教えてくれないか!?」
「え・・・?」







これにはちょっと困った。







(教えたくない。)







会ったばかりの人に、簡単に自分の番号を教えたくない。





「どうした!?まさか、スマホを持ってないわけないよなぁ~!?」
「・・・まさかぁ~持ってますよぉ~」





からかいながら言ってくる相手に、笑顔で受け答えをする私。







(・・・・・仕方ない、使うか。)

「電話番号だけで良いですか?LINEはしないんですよ。」
「いいよ、いいよ!電話番号があれば十分だ!」







ご機嫌で言う檜扇さんと、私は2台目のダミースマホの番号を交換した。





〔★凛は新アイテムを使用した★〕





(瑞希お兄ちゃんの祖母はともかく、この父親は・・・父親の役割を果たしていない。信用できない。)





そんな思いが根底にあったので、怪しい奴限定で教える番号の方を選んで教えたのだ。
番号を交換し終わったところで、檜扇(ひおうぎ)さんは言った。







「あのさ!瑞希が見舞いに来れるかどうか、今日中に聞いて返事をしてもらうことって出来るかな!?」
「え!?急ですね!?」
「仕方ないだろう、母さん・・・母の命はいつ消えてもおかしくない時なんだ・・・」
「あ!?そ、そうでしたね・・・。」
「せやけど、聞くのもタイミングが大切やでー!凛に丸投げしといてから、あんま無茶な要求はせんといてー!」
「うっ!?わ・・・わかったよ!じゃあさ、凛道君さ、明日会わないか!?」
「え?なんのためにですか?」







突然のお誘いを聞き返せば、檜扇さんは即答した。







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