彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)



材料が足りるか心配するモニカちゃんだったが、タイミングよく、友達(!?)の農家らか野菜を、養豚場経営者から豚肉を、大量に百鬼が持って帰ってきたことで、食糧不足は解消された。
夕食のおかずは、翌日のお弁当のおかずに変わり、百鬼が持ち帰った新鮮な野菜と豚肉での晩御飯となった。
山のようにあった料理は、食べ盛り未成年と、疲れて帰ってきた大人によって消費される。




「凛、しっかり食えよ!?」
「い、頂いてます!」




瑞希お兄ちゃんに気を遣われながら、タイミングを見計らう私。





(とりあえず、おばあ様の話を切り出すのは、カンナさん達現役メンバーが帰ってからよね?)





いつも通りのにぎやかな夕食を終え、食器の片づけのためにキッチンに入ることを許されたのは、食器を洗う係の私と、拭く係の円城寺君と、拭いた食器を棚に戻す係の可児君の3人のみ。
瑞希お兄ちゃんだけが、食後のお茶として玄米茶を出してくれた。



「お疲れ、凛!大河!可児!飲み頃にしといたから、飲めよ!」



食器洗いが終わった私達に、みんなの分とは時間差で作ってくれた玄米茶を出して下さる瑞希お兄ちゃん。



「ありがとうございます、瑞希お兄ちゃん!!」
「ありがとうございます、瑞希さん!!」
「ありがとうございます、真田先輩!!」
「どーいたしまして。」



感謝を伝えれば、茶目っ気な顔で笑う好きな人。
その顔をおかずに、美味しくお茶を飲む。
リラックス効果のある玄米茶で、心を落ち着かせる。
時計をチラ見すれば、そろそろ、カンナさん達が解散する時間が迫っていた。
それまでに冷静さを整えつつ、何事もなかったかのように、瑞希お兄ちゃんとの談笑を続けたのだった。



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