彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
未成年の雷太が入隊してから、龍星軍の解散時間は早くした。
それに円城寺君以外は不満を漏らさない。
雷太は雷太でそれを負い目に感じているらしく、つなぐが雷太の家まで付き添うことに、不満を持っても文句を言わない。
ヤマトから、明日迎えに来ると耳打ちされ、同時に釘も刺された。
「雲行きが怪しくなったら、無理にしつこく聞かんで、話題を変えるんやで?」
「うん、わかりました・・・。」
小声のヤマトの言葉にうなずき、何気なく雷太を見れば、力強くうなずかれた。
あんまり目立つことをしてほしくなかったけど、応援してくれるのだと伝わってきて、頑張ろうという気になれた。
「じゃあな、凛!またな!モニカ先輩、他の先輩方も失礼しまーす!」
「瑞希さん、また明日も来ますっ!!別れがたいですけど、失礼しまっす!!おやすみなさーい!!」
「凛さん、失礼します!先輩方、御馳走様でした!!」
「リンリン、おやすみー♪先輩達もおやすみ系―♪」
「我が君、どうか良い夢を♪初代の皆様も、お疲れの出ませんように♪」
「凛道君、バイバイ。先輩方、お先にお暇します!失礼しました!」
「りんどーあばよ!真田先輩、宗方先輩、朝霧先輩、百鬼先輩、失礼します!」
「凛先輩~!!何かあれば呼んでくださいね!?いつでも駆け付けます!!おやすみなさい!あ、他の初代さん方もお疲れっす!」
「うはははは!ほなみなさん、さいなら~!!」
にぎやかに、エンジン音や直感コールを響かせながら帰っていく仲間達。
「あいつら、今日も元気だったな~凛?」
「そ、そうですね、瑞希お兄ちゃん!」
仲間達がいなくなったところで、瑞希お兄ちゃんに話しかけられた。
当たり障りの話をしながら、相手の様子をうかがう。
瑞希お兄ちゃんは背伸びをしながら、フェリチータの自分の席に座ったので、まだ部屋に帰る気はないみたい。
他の先輩方も、それぞれに定位置に座って、スマホやタブレット、諸説などを呼んでのんびり過ごしていた。
(今ならみんな、そろっている・・・話を切り出すなら今だ!!)
瑞希お兄ちゃんの定位置の隣が私の定位置。
そこへ腰かけると、心の中で気合を入れる。
『菅原凛』での経験値を元に、『凛道蓮』は口を開いた。