無自覚なまま、愛を蓄えて。
学校じゃあ梓くんたちのいい噂を聞かないから……。
「いいの?行きたい!みんなともっと仲良くなりたい!」
前からアジトに行きたいと思っていた私は即答する。その事にふっ、と笑いながら梓くんは私を見ていた。
「そうか。みんなに言っておく。……だが、気をつけろよ」
「へ?」
梓くんは急にピタッと歩くのを辞める。
私もつられてその場に立ち止まった。
「……優星、可愛いから狙われるぞ。アジトにいる時は俺から離れないように。後、メガネは絶対にとるな。いいな?」
「……はい」
突然立ち止まったかと思えば顔を近づけて真剣な声でとんでもないことを言ってくる。
驚きすぎて思考回路が下がり、頷いてしまった。
「よし。いい子だ」
「…………」
私の反応を見て、満足そうに笑うと頭を撫でてくる梓くん。
大きな手が私の頭を優しく包み込む。