無自覚なまま、愛を蓄えて。
まっすぐ梓くんは私の目を見る。
あまりにも綺麗な瞳に、思わず吸い込まれそうになった。
図星を言われて、考える間もなく、涙が溢れた。
……そんなこと言われたら、泣くしかないじゃん。
いったいなんなの?
幸せそうに笑ってる私が好きって。
梓くん……カッコよすぎない?それ、無意識で言ってるの?
「うわぁぁぁ!梓くん、私……これからどうしたらいいのか分からない……どうしたら、お父さんと縁を切れるのかなぁぁ!」
溢れる涙とともに不安も溢れた。
今まで悩んでいたことを梓くんに全てぶつけた。こんなの今言うことじゃないってわかってるけど止められなかった。
梓くんに話している間、私のことをそっと抱きしめてくれた。
泣きわめく私を慰めるように、包み込むように抱きしめてくれる。
震える背中を、優しく……撫でる。
「優星。今までよく頑張ったな。あとは俺に任せろ」