無自覚なまま、愛を蓄えて。
梓くん、心臓に悪い……。
かっこいいと思ったら、今度は怖くなるんだもん。
おかげで涙、引っ込んじゃったよ……。
「まぁ、お前は黙って俺についてろ。……そしたら、全力で守ってやるからな」
「……梓、くん……ひゃあ!」
梓くんに見惚れていると、急に顔を私の首に伏せてくる。
そして……私の首元に、梓くんの柔らかいくちびるが、当たった。
……ちゅう……とそこだけ強く、吸われる私の首元。私は何が何だか分からなくなってかちこんこちんに固まる。
だけど、首元だけは異常に熱くて。ジンジン、と熱がこもる。
「……はぁ。……これはしるし。優星は誰にも渡さないって言う俺の覚悟と、俺のものというしるしだ。消えたらまた俺のところに来い。新しいのをつけてやる」
ードキン、ドキン……。
色んなことが一気に起こりすぎて頭の中はぐちゃぐちゃ。
だけど心臓は正直で。