無自覚なまま、愛を蓄えて。
毒は蜜の味
ある日の休日。
私はいつものようにバイトを終えて、梓くんと帰り道を歩いていた時のこと。
「そうだ。今日の夜、アジトで集まりあるんだが、優星も来るか?」
隣を歩いていた梓くんが突然そんなことを言い出した。
「え?行っていいの?」
「ああ。ちょうどこの間優星を連れてくって約束したしな。あいつらの息抜きに相手してやってくれないか?」
……そういえば。
梓くんとアジトについて話したことあったっけ。私のことを連れて行ってくれるって言われた時は嬉しかったなぁ。
だけど、行ったら迷惑にならない?
「私が行ったら迷惑にならない?大丈夫なの?」
みんなに会いたい気持ちはあるけど、なんだかやっぱり肩身が狭くなる。
余計な仕事を増やしてないかとか、迷惑をかけていないかとか。色んなことを考えてしまう。
「迷惑じゃないから誘ってるんだろ?それに、優星がいたらみんな喜ぶよ」