無自覚なまま、愛を蓄えて。
私と目が合うとにこりと微笑み、ぽん、と頭を撫でてくれる。
迷惑じゃないか心配だったけど私の考えすぎかな。
「……行く!梓くんたちのアジト、行きたい!」
「そうか。なら決まりだな。制服だと危険だから一旦家帰って着替えてから行くぞ」
「うん!」
前からアジトに興味を持っていた私は梓くんの返事を待ってから頷く。
その事を見て、なぜだか満足そうに笑う梓くん。
「優星、前も言ったが気をつけろよ」
「へ?何が?」
ルンルン、と気分は上がりまくる。
その時に梓くんに言われてん?と首を傾げる。私、なんか前に言われたっけ?
「優星は可愛いから、狙われやすい。アジトにいる時は俺から離れるなって約束したろ?」
「……か、か、可愛い!?私が!?」
とんでもないことを言われた気がして、頭の中で言葉を理解しようとする。
だけど、爆弾発言を落とされ、私の思考回路は停止する。