無自覚なまま、愛を蓄えて。
「おい、優星。お前大丈夫か?なんか顔真っ青だけど」
「だ、大丈夫……じゃないかも」
部屋の隅に座っている私を見つけた梓くんは心配そうに私の顔を覗き込む。
いつもなら笑って大丈夫だと言っているところだったけど今は違う。そして、アジトに来たことを今更ながら後悔しそうになっていた。
「はぁ!?具合でも悪いのか?」
「具合は悪くない。だけど……」
「だけど?」
気持ち悪いとかそんなのはない。
ではなぜ、私がこんなにも心配されているのか。答えはひとつしかないのは明白。
「こ、この空間がキラキラすぎて……怖い!」
「……それが理由?」
なんてことない部屋なんだろうけど。
この空間は、私にとっては毒だった。男子とまともに話したことがない私にとってこの空間は致命的。
右を見たらイケメン、左を見てもイケメン。
そして、前を見てもイケメン。