無自覚なまま、愛を蓄えて。
こんな小さな部屋のひとつに、これでもかと顔面国宝級イケメンが揃いに揃いまくっていた。
傍から見れば贅沢な空間だろう。
だがしかし。
私にとっては、とても居心地が悪い場所であった。
「それが理由、です」
梓くんを前にして、恥ずかしくてたまらなくなる。私をアジトに連れてきてくれたのにこんなくだらない理由でみんなと話さないなんて。
きっと呆れてるよね。
「お前……」
「ゆーらちゃん!ねぇ、こっち来て話そうよ〜」
梓くんと話をしていると、誰かから急に抱きつかれた。
その瞬間、ゾワゾワっと寒気が走り、思わず相手を突き飛ばす。
「ギャーー!こ、こ、来ないでー!」
私の悲鳴が部屋に響く。
その事に気づいたみんながいっせいに私を見た。
それまで騒がしかった部屋が一瞬にしてしん、と静まり返る。
「……いった〜……。優星ちゃん、意外と力強いね」