無自覚なまま、愛を蓄えて。
その光景に驚きを隠せない私は目をぱちくりとさせる。
「何?梓、優星ちゃんのことになるとそんなになるの?」
「なんかいいの見ちゃった〜!」
普段からあまり笑わない玲夢くんだって笑ってるし。
……いったい、どういうこと??
「お前ら、うるせーぞ!ちょっとは黙ってろ!」
黙ってみんなを見ていたら梓くんが大きな声でみんなに怒鳴っている。
そっと顔を上げて、梓くんを見ると……。
何故か顔を真っ赤に染めて、反論していた。
「いーじゃねーか。優星ちゃん、どうせお前の姫候補なんだろ?だったら、今日の暴走、バイクの後ろに乗せてあげたら?」
上手く状況を飲み込めない私をよそに理人くんが梓くんに訳の分からないことを言っている。
姫候補……?暴走?
いったいなんなんだろう?
「はぁ?暴走に優星を連れてったら危険だろーが。それに、優星はバイク苦手だぞ?」